SEO対策にとって最重要である被リンク。
その被リンクが、獲得しにくくなっていると言う事にお気づきでしょうか?
今やSNSの台頭などで、被リンクを貼ると言う行為のハードルが年々上がっているからです
そんな時代に、簡単に被リンクに近い効果を得られる「サイテーション構築」について書きました。
サイテーション(他者からの言及・引用)は被リンクと似ており、同レベルに大切。
サイテーションビルディング方法は、「とにかく1回でも多くサイト名を人目に晒す事」。
あちこちで定期的に名前が挙がるサイトは、数記事しか無くても初速の順位の付き方が違う。
SNSとの相乗効果も生みやすい。— おおき/SEOコンサル (@ossan_mini) 2018年7月17日
まずサイテーションって何?
検索エンジンのアルゴリズムの評価指標になっている(と言われる)要素の一つです。
主に「第三者に引用された事」や「第三者にサイト名など固有の単語が言及された事」が該当します。
あなたのサイトが噂になったり褒められたり批判されたり、と言った要素も含まれます。
サイテーションはリンクではなく文字列なので、被リンクとは明確に違います。
被リンクで言及→「Googleって便利だよね」
サイテーション→「Googleって便利だよね」
サイテーションは被リンクと同じものとして検索エンジンに扱われている可能性が10年ほど前から指摘されています。
他の人に自分のサイト名をネット上でいっぱい言及されたら検索順位上がるっぽいよね
という事が言われてる訳です。
※英語が分かる人は、サイテーションビルディングの原典ともいえる、David Mihm氏のLocal vs Traditional SEOを読んでみて下さい。当時世界のSEOコミュニティに衝撃を与えた記事です。Chromeの翻訳機能でもまあわかると思うので、興味あればぜひ。
なぜサイテーションビルディングがSEOにおすすめなの?
被リンクとくらべて、獲得するハードルが低いから
です。
一方被リンクの場合は、リンクを設置すると言う行為に至るまでのto doが多すぎます。
そこに至りにくいと言う難点があるのです。
翻ってサイテーション獲得の場合、「言及されるだけ」で良いので達成が比較的容易です。
また上記の通り、世界のSEO業界において、被リンクと同等の効果を唱える説が優勢です。
つまり言及される数が増えるほど検索順位に影響する可能性が高いと言う事です。私も個人的にほぼ同意です。
(もちろんGoogleが公式に認めた訳でも無ければ、仮にその通りであっても例外等は少なからずあるでしょう)
サイテーションビルディングをやってみよう
まずここではサイテーションを「サイト名が第三者に言及される事」と定義しておきます。
(引用についてはテーマではないのでここでは割愛)
基本的にはサイテーションの増え方については、以下の方程式っぽいもので表すことが出来ます。
C = I × E
これは Citation数 = Impression数 × Engagement率 と言う事です。
言い換えると、 引用される回数 = 目立った回数 × 人に行動させた割合 とも言えます。
他にももちろん諸々の変数が加わりますが端的に言えばこの様な構造から大きく逸脱はしないでしょう。
以下で、具体的なサイテーションビルディングの手法をいくつか紹介します。
- サイト名を短い&個性的なものにしよう
- SNSで拡散しよう
- ゲストポストを試そう
- 色々なプラットフォームに拠点を置こう
- 広告でimpだけを稼ごう
サイテーションビルディングは見ての通り、まず「インプレッション=人目に付いた回数」が最重要かつ、最もあなたにとってコントロールしやすい要因です。
もう一つのエンゲージメント率と言うのは、人があなたのサイトの内容に何らか心を動かされ、そしてネット上で言及するまでの機微を割合として表しています。
言及でさえあれば、賞賛も批判もどちらも含みます。
要は話題になっている状態を指します。
エンゲージメント率はあなたにとってコントロールしにくい要素が多いので、まずその確率を上げる方法が必要になります。
これを次の項で説明します。
1.サイト名を短い&個性的なものにしよう
上記の「C=I×E」の公式のうち「Engagement(ユーザー行動)」を高めるための手法です。
個性的と言ってもエッジの効いた極端なものにしなくても、唯一無二であればOKです。
言い換えると、他のサイト名と重複を避けられさえすれば何でもOKです。
サイテーションが成立しづらいケースを挙げると、
「○○サービス比較ランキングまとめ」
みたいなサイト名ですね。SEO意識し過ぎるあまりの。
こう言ったサイト名だと被ります。
被ると第三者がこのサイト名を言及しても、検索エンジンからすればどのサイトについて言っているのかわかりません。超もったいないです。自分もよくやっちまってます。笑
もう一つ重要な点として、なるべく短いものが良いです。なぜなら書きやすいし覚えやすいから。
例えば私のサイト名は「SEOの森」ですが、これは作成した際サイテーションを意識しました。
名前を決める時、他のブログと被らないか””付き検索で調べましたし、極力短く済むサイト名にしました。
(当時の他の候補は「SEOの海」とか「SEOの箱」です。笑 とにかく重複しない&短い名前であれば適当に何でもええわと考えていました)
そこまで積極的にサイテーションビルディングしていない状況ですが、
それでもサイト名の検索回数はGoogle Search Consoleで見ると月間数百回ほどありますw
キーワードプランナーでも出てこないのにね。
2.SNSで拡散しよう
サイテーションビルディングはimpression=人目に触れる事が重要かつ、自分でコントロールしやすい要素です。
目立つために、主にSNSを使います。
あなたのサイトのターゲットがよく入り浸るSNSが良いです。
例として写真をブログに掲載するなら、InstagramとPinterestは親和性が高いです。
動画ならYoutubeが必要になりますし、若い世代がターゲットならtiktok(iOS版 / Android版)が絶対良いです。
別に1つでなくて良いです。むしろ複数SNSを使って下さい。
それぞれのSNSだけにしかいないユーザーが少なからずいるからです。
注1:どんな場合であれTwitterをメインにする
あなたの主戦場がインスタでもYoutubeでも、サイテーションビルディングの拠点はTwitterにしてください。
何故かと言うと、
言語がメインコンテンツとなるトッププラットフォームだから
です。
サイテーションは言語のコミュニケーション上で発生します。
サイテーションビルディングは、人に言語でアピールし、言語の書き込みをして貰うSEO対策です。
これに最も適しているのはTwitterです。
注2:サイト名1点だけをとにかく強調する
サイテーションビルディングは、
サイト名1点突破が基本
です。
- アカウント名にサイト名を入れる
- プロフィール欄にサイト名を入れる
- ブログ更新を知らせるつぶやきにもサイト名を入れる
- 自分のブログについて触れるたびサイト名を出す
等々。
サイテーションされたいものをサイト名にすると決めたなら、サイト名だけの強調に徹して下さい。
よくやりがちなのが、サイト名をぶらしてしまう事です。
例えばサイト名の正式名称と略称の2つを自ら使ってしまう事は、サイテーションを最短距離で得るための妨げになり得ます。
略称を使うならそれでも問題ないので、どちらか1つに絞りましょう。
(と言う理由もあって略称の用意が必要ない、短いサイト名を推奨しています)
注3:頻繁に更新する
基本的な事ですが、更新頻度の高さは当然ながら重要です。
できれば毎日、少なくとも週1記事は更新しましょう。
サイト名をつぶやく言い訳ができるからです。
月に1回とか2回ぐらいしか更新しない場合、サイト名を呟く言い訳として過去記事を違った切り口で呟いてみる等はありだと思います。
また、更新は淡々とでOKです。
よくサイトで過激・極端な事を言う必要があるかと聞かれるのですが、その必要はありません。
ただ粛々と記事を更新し続けるだけでもサイテーションビルディングになります。
むしろ無理して炎上気味な方向に持ってくとかお勧めしません。
注4:サイテーションビルディングを支えるのはコミュニケーション
要するに、SNSで色々な人と密にコミュニケーションを取り、
仲良くしておく事で、自分のサイトについて触れてもらいやすくなります。
同時にサイテーションビルディングで重要なのは、
あなたが他の人のサイト名をつぶやいてあげる
事です。
つまるところ、SNSのコミュニケーションにおいては、
互いに持ちつ持たれつと言う側面があります。
お互いに互いのサイト名を話題にしてあげると言うコミュニケーションをサイテーションビルディングで目指せると良いでしょう。
3.ゲストポストを試そう
ゲストポストとは、おおまかに「他の人のブログやサイトに投稿すること」と捉えて下さい
また第三者のサイトの対談企画に呼ばれる事、インタビューを受ける事などもおすすめです。
これの何がおすすめなのかと言うと、
自分のサイト名を第三者のサイトに掲載できる
と言うサイテーションビルディング上のメリットがあります。
(もちろん何らかのメリットを相手のサイトに提供できるよう頑張る必要はありますよ)
これは欧米だとSEOチートやマーケティングチートみたいに思われている節があり、
かなり積極的にやっている人達も少なくありません。
4.色々なプラットフォームに拠点を置こう
SNSで拡散する以外にも「人目に触れる」ために、色んなプラットフォームにアカウントを作成しておきましょう。
もし既にあなたのサイトが有名なら、または企業などとして実名を出しながらサービスを展開している場合、
Wikipediaの登録はサイテーション構築に最強
なので、必ずページ作成を行って下さい。
Wikipediaがなぜ強力なのかと言うと、こんな理由があります。
- ある程度信頼性を担保してくれるためサイテーションビルディングに向いている
- 複数人が編集に参加するため、勝手に育ってくれるバックリンクでもある
他にも、PVが瞬間最大風速高めになりやすいメディアで言えば、
- naverまとめやTogetterでセルフまとめを行う
- noteで記事を書く
- qiitaで記事を書く
- SlideshareやSpeaker Deckでスライド資料を公開
と言うのもありです。自分は他のサイトで1.をよくやっています。
あとSlideshareはLinkedinの傘下なので、やるならLinkedinにもアカウントを作っておくと良いです。
5.広告でimpだけを稼ごう
「インプレッション=人目に晒す」で最も手っ取り早いのは、広告です。
Google Adwordsのリスティングやリマーケティングで低単価で入札・運用して見る事もお勧めです。
(もちろんYahooのPPCやリターゲティングも出来るならありです)
ポイントは、
- 上限CPCを最低単価に抑える事
- 入札するキーワード数を増やす事
- クリック率を抑える事(シンプルなタイトル、ディスクリプションにする事)
- QS(品質スコア)をなるべく上げる事
です。
これらは互いに相反する事もあって難しい場合も多いのですが、少額予算でできますので、
時間を買いたい場合はお勧めです。
広告代理店にいた時代によくクライアントに推奨していましたが、
立ち上げ直後のサービス名でも指名検索の増加ペースが速く、サイテーションビルディングに効果ありますよ。
ただし広告のこういったクリックさせないでimpだけを稼ぐような使い方は本質ではないため、
ある程度指名検索が増えたらSNS運用に軸足をシフトして下さい。
サイテーションが増えたかどうか調べて見よう
調査の仕方としては、ほぼほぼ「エゴサーチ」と同じ事をやります。
ただいわゆるエゴサと大きく異なるのは、賞賛も批判も気にしなくていい、という点です。
とにかく1つでも多く引用されたり、噂になったり、言及されていれば勝ちってこと。
定量的な調査方法
サイト名で検索して、サイトリンク表示を確認しましょう。
サイトリンクとはこういうやつです。
これが表示される状態になれば、検索エンジンはあなたのサイト名を固有名詞だと認識しています。
ここから先、検索クローラーがあなたのサイト名をネット上で発見したら、あなたのサイトに対しての被リンクと近い効果を得られる可能性が高いのです。
定数的な調査方法ベスト5
数字は常にトラックしておきましょう。
- 主戦場にしているSNSで””付きで検索し何件ヒットするか見てみる
- 特に主戦場にしていなくてもTwitterではかならず検索
- Googleの月間検索ボリュームを見る(Adwrodsのキーワードプランナー)
- Google Search Consoleでサイト名(=指名検索)検索数、クリック数などを見る
- Googleで””でサイト名を検索しインデックスされたページ数を見る
この中で最も重要なのは3~5のGoogle上のデータです。なぜか?
Googleに直接残るデータが、検索順位にダイレクトに影響する可能性があるからです。
また補足として、1.については例えばTwitterなどはそこそこ雑にしか数値が取れませんので参考程度です。
3.については、このブログ「SEOの森」だと、そこまで積極的にサイテーションビルディングしていませんが、月間数百回ほどあります。
多分有名なブロガーさんなんかは軽く数万ある人もいると思います。
5.については1ドメインにつき最大4件しか表示されないため、検索結果に表示された数値よりもっと多い可能性があります。あと検索結果のインデックス数は数字を盛るので注意して下さい。
このブログ名「SEOの森」だと未だに134件でした。いい加減このブログでもサイテーションビルディングやらないと行けない様です。笑
検索競合と必ず比べる
ターゲットとする検索キーワードで自分より上位にいるサイトがあれば、そのサイトと比較しましょう。
なぜ上で定数的な調査方法を紹介したかと言うと、検索順位が相対評価だからです。
つまり他のサイトと比べられて順位が決まるため、
サイテーションビルディングでも何かしら定数的な指標を持ちながら、
出来る限り競合サイトより数値の面で上に行く必要があります。
まとめ
サイテーションビルディングをさもSEOのいち手法かの様に書きましたが、
実はマーケティングや広告界隈でもよく用いられる考え方を元にしています。
人目に触れる事を目指す事、すなわち広告と言う事になりますし、
その上で大昔流行った口コミマーケティング等に相通ずる考え方が下敷きです。
サイテーションビルディングを極めたいと思った人は、
こう言った各論から入る以外にもマーケティング全体の勉強をがっつりやってみるのも良いと思いますよ。
と言う訳でまとめとして、サイテーションビルディングは「人目に触れる」×「言及しやすいサイト名」がベストと言うお話でした。
コメント
はじめまして。有益な情報ありがとうございます。
SEO対策をする上でサイテーションというのは初めて聞いたのでとても勉強になりました。
ブログ名を2回変更しているので重要だと認識しています。
早速ツイッターアカウント名を変更しました。
ふくろうさん、ありがとうございます。行動早いですね!うまく効果が上がると良いですね。
広告を使ってimpを稼ぐ説明のところで、「クリック率を抑える事(シンプルなタイトル、ディスクリプションにする事)」とありますが、意図が分かりません。
クリックしてもらってエンゲージ稼げる方がいいのではないでしょうか。
クリックで広告費が増えるからですか?
むらかみさん、コメントありがとうございます。
はい、広告費をかけたく無い人を想定した話だったのですが、もちろん訴求したい内容があればクリックして訪問して貰って…でも問題無いです!
初めまして、とても勉強になります。
素晴らしい情報だと驚いています。今までも、現在も被レンクをされることは難しいと、感じています。
私の仕事は、珈琲工房サントスでコーヒー豆専門店の経営をしています。
いつも、ここで学んだことを、心がけて仕事をしています。
と、言うことなのですね。
教えてくださいまして、感謝をしています。
瀬崎さん、コメントありがとうございます。
被リンクはハードルが高いからこそ1件の重みがあるのですが、サイテーションを狙う方が簡単なのでぜひ狙って頂きたいですね。お互い頑張りましょう!
有難う御座います!非常に勉強になりました!
例えばこういうコメント欄にコメントする事もサイテーションビルディングと言う事になるのですか?
指名検索が来るようになると検索ボリュームの無い記事でもPVを稼げるようになるチャンスも出てきそうですね
はい、そうご認識頂いて良いかと思います。
(厳密に言えば、第三者からの引用とか言及がサイテーションなので、自分でコメントする事はサイテーションとは言わないのですが)
コミュニケーションの一環で他者のブログコメント欄に自分のサイト名を掲載する事があっても問題ないと思います。