コンテンツ力を鍛えたい…
SEOで競合に打ち勝ちたい…
そう思っている人にうってつけの武者修行があります。
これは私がかつて広告会社にいた頃、新人SEO担当の方々に行っていた研修の1つです。それは、コンテンツを作る前に、
競合コンテンツの被リンクを
「すべて見る」
という事。
すべて、ですよ。
被リンクはSEOに影響する要素の最右翼であり、その被リンクを研究する癖をつけようぜ、それも徹底的にね、と言う事です。
数千万本の被リンクを見続ける覚悟があるか?
仮にという話ですが、あなたが「ダイエット」と言うキーワードで自分の記事を検索上位に上げたいと考えたとします。
そうすると「ダイエット」と言うキーワードで検索上位に上がっているすべての競合記事についている被リンク元ページの内容をくまなく読み込むのです。
今「ダイエット」と言うキーワードで検索すると、検索上位の記事の被リンクが多い時で1記事あたり数百~数万本単位でついています。それらを「全て」読み込んでください。総計で数十万本~数千万本に至るケースもあります。
ビッグワードほどまともにやれば何ヶ月もかかります。なので出来るだけ高速に、出来るだけ多く、毎日毎日読み込んで下さい。
1日の目標は500ページです。
1ヵ月の目標は、30日あったとして15,000ページです。
そして読み込む際に必ずそのリンク先記事が「なぜ」リンクしたのかの気付きをあなたのノートに記載しましょう。わからなくてもあなたの想像で構いません。
このレベルで何年も被リンクを見続けたと言うSEOの武者とか仙人みたいな人を私は数名知っています。
そう言う人はもはや被リンクの被リンクの被リンクとかもお遍路の様に熱心に見て回るので、閲覧した被リンクの数は数千万本にのぼると思われます。
なお私もこの修行を何年もやっていました。本数は数えてないんですが、やはり1,000万本程は見たのではと思います。
被リンク武者修行の旅で見えて来る2つのポイント
この武者修行をやっていると次第に分かってくるポイントが2つあります。
1つ目は、「どんなコンテンツが被リンクを貰えるか」です。
これはコンテンツを作る上で「絶対コンテンツ感」風の能力が身に付きます。こんなコンテンツが受けるぞとか、こんなコンテンツにはこう言うコメントと共に被リンクが付くぞとかそう言った事を被リンクの傾向から帰納法的に導き出す能力が身に付くのです。
抽象度の高い人なら早くて開始から数日、遅くとも1ヵ月とかぐらい経った頃からこの能力を発揮出来るようになります。
更に半年から1年続けていれば、どんなコンテンツでも被リンクを貰える要素と言うのはほとんど共通しているなというのが分かってきます。そしてそれ以上見なくても大体予測を出来るようになります。
例えば被リンクを貰いやすい記事と言うのは大体において、
・そのジャンルで有名な人、目立ってる人、声が大きい人が書いた記事
・ファンが多い人が書いた記事
・アンチが多い人が書いた記事
・研究機関などの権威者が書いた記事
・一番乗りでその情報をウェブに上げた記事
・足で稼いだ一次情報が載る記事
・お金を遣った一次情報が載る記事
・今まで誰も気づかなかった盲点を指摘して世間を驚かせた記事
・世間が日頃思っている不満を端的に指摘して世間の溜飲を下げる事に奏功した記事
・既存の情報を表やグラフや図などにとても分かりやすくまとめたデータが載る記事
・世間のあるあるに対して極端なオピニオンを言い放つ事で賛否両論の論争を巻き起こした記事
…などですね。この様なコンテンツが被リンクを稼ぎやすい傾向にあることが見えてきます。
もちろん上記に挙げた以外のタイプでも被リンクを稼げるタイプの記事は多々存在します。
これが分かると、いざ自分がコンテンツを作る際に、もうちょっとこう調節した方がいいな…と言う細やかな最適化を自然と出来る様になります。武者修行の成果ですね。
自然なリンクは多様な生態系を形成する
わかることの2つ目は、自然な被リンク元って多様性があるんだなと言うこと。
例えば…
ある記事に対する被リンク数を100とすると、そのうち80がスパムのような自動生成と思しき記事からのリンクだったりします。
そして残り10が5年ほど前に更新が途絶えたブログからのリンク。残り10はなんと既に消滅している…と言うようなものだったりします。
これはあくまでよくある1つのパターンです。一見被リンクゼロと変わらない様に見えます。
他にも100のうち50がファンからのリンク、30がアンチからのリンク、10が自動生成スパムからのリンク、10が画像の無断使用の引用元明記のリンク…などと言った内訳になっていたりします。
これもまた一見SEOに効果的な被リンクをほとんど受けていない様に見えます。
ですが、こういったものはGoogleから見ればとてもナチュラルな被リンクの内訳のパターンなのです。例え権威者やドメインランクの高いサイトであってもこう言った内訳であるケースは多く、単にその規模が100倍とか1万倍とか、とても大きいだけと言うケースが多々あるのです。
そしてリンクを万単位で見続けていれば、そのジャンル内をリンクを媒介とした1つの生態系として俯瞰出来る様になります。
ボス的な立ち位置のこのドメインの周りに準ボス的なこのドメインが5つあって、その周囲を影響力の小さいドメインが数千個取り囲んでいて…
と言ったリンクグラフを脳内に再現できる様になります。これはGoogleの見ている世界と同じ視座で下界を見下ろしている状態です。
このレベルになると新規参入の難易度や、今の自分のサイトに足りないのが優れたコンテンツなのか権威性なのか、それはどの程度の予算と期間で獲得可能なのかなどが分かってきます。
余談ですが、被リンク本数が3本しかないのに3本とも著名人からのリンクだったり、ページランクやDRの高い中古ドメイン媒体からのリンクだったりすると非の打ちどころがないレベルでアンナチュラルです。Googleがそれをスパムであると検知するのは時間の問題だ、と言う事も分かってきます。
被リンク武者修行の旅まとめ
コンテンツを鍛える前に、まず被リンクを見る目を養っておくとコンテンツの精度も上がるよ、と言うお話でした。勇気のある方は是非チャレンジしてみて下さい。
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