Rankbrain – Googleの検索エンジン向けAI(人工知能)のSEO対策

RankbrainとSEO

Rankbrainとは?ランクブレインはどんな影響を及ぼす?ランクブレインのSEO(検索エンジン最適化)対策はどうすればいい?と言う疑問に答えて見ます。

RankBrain(ランクブレイン)とは、2015年にGoogleが公表した検索エンジン向け人工知能の事。

Google傘下のDeepMindのAlphaGoなど、Google関連企業のAIへの投資は目覚ましいですよね。中でもこのRankrainはGoogleの中核事業である検索エンジンに利用されるAIです。

元々Googleは2000年代後半にAIに着目しました。コンピュータの処理速度の向上に伴い実用化が可能になってきました。

Rankbrain(ランクブレイン)の影響

Googleの検索アルゴリズムの総称をまとめて「ハミングバード(Hummingbird)」と言います。Rankbrainはその一部、およそ15%程度もの決定に関わっています。

600以上ある要素のうち、3番目に重要な要素だそうです。1番はリンク、2番目がコンテンツ、と言われています。

Rankbrainの処理した検索結果は、1秒間に何百万件と打ち込まれる検索クエリの非常に大きな部分を占めると言います。
今も日々、Rankbrainはその精度を機械学習により高めてます。

Rankbrainが最初に検索順位を大変動させたのは2011年の、
あのパンダアップデートではないかとコンテンツマーケティングエージェンシーのMOZ社が指摘しています。

We SEOs discovered how Google uses machine learning when Panda rolled out in 2011.
Panda, in fact, is a machine learning-based algorithm able to learn through iterations what a “quality website” is — or isn’t.

“パンダアップデートが2011年に施工された際、我々SEO業界はGoogleがマシンラーニングをどのように利用したか発見した。”

“パンダアップデートはマシンラーニングによるアルゴリズムであり、「何が良質なコンテンツか」を繰り返し学習する事ができる”

Rankbrain(ランクブレイン)は機械学習システム

Rankbrainはよりユーザーに関連する検索結果を提供するためにつくられた機械学習システムです。

正の集合と負集合のサンプルを与えられ、分散表現により単語ベクトルを決定し、単語間の関係性を理解出来ます。

そのため、始めて見るキーワードが検索されたとしましょう。このクエリを単語(エンティティ)またはそれにマッチする可能性が最も高い単語のクラスタにマップすると言う仕組みです。

Rankbrainが知らない検索クエリだったらどうでしょうか。近しいと思われるその意味を推測し、より的確な検索結果をフィルタできます。
(現に検索クエリは過去にほとんど検索されたことのないものが常に増えているらしいので)

Rankbrainは検索クエリをエンティティとして「理解」します。単なる文字列として処理するのではないんですね。セマンティックな検索を実現する事のできるシステムという事なんです。

RankbrainとGoogleのニューラルマッチングの違い

ニューラルマッチングは検索された語句を見て「検索した人が本当に知りたかった事」「検索した人でさえ頭の中で整理ができていない事」「検索した人が、頭の中で正確に言語化できていない事」を突き止め、深く理解する仕様です。

一方Rankbrainは、ウェブページの内容を深く理解します。ニューラルマッチングと同じ。記事に書かれた事を深く理解するのです。

Googleの検索アルゴリズムはこうして、ニューラルマッチングで導いた検索者の需要と、ウェブページをマッチングさせる協業者なんですね。多分。

検索エンジニアに勝ってしまうRankbrain

Rankbrainはいくつかのウェブページのうち、検索結果の1位になるものがどれかを予測しました。80%の正答率でした。

同じテストを検索エンジンのアルゴリズムを担当していたエンジニアがやってみたそうです。正答率は70%だったとの事。

Rankbrainはオンオフ切り替える事がある

なおRankbrainには上記の様にオンラインの時もあれば、オフラインの時もあります。

RankBrainがオフラインの時は、過去の検索のバッチが与えられ、検索結果の一致によって学習します。RankBrainが処理した結果がGoogleのチームによって検証されると、システムは更新され、再びRankbrainはオンラインで稼働します。

…と言う感じでRankbrainとは機械学習システムなのです。日を追うごとにどんどんその精度が高まっていく事になります。理論上は。

RankbrainはGoogleが2015年に公開したオープンソースライブラリ(フレームワーク)のTensorFlow(テンソルフロー)と同じものを使ってマシンラーニングを行っています。GoogleはRankBrainの要求を処理するためにTensor処理ユニットASICを使用しています。

Rankbrainの課題は検証が難しいこと

Rankbrainにはもちろん課題もあります。

2016年のPubcon(サーチやSNS等のカンファレンス)では、Googleの中の人が「Rankbrainの処理した結果はデバッグが難しい」と言っていたようです。これはつまり、なぜRankbrainがその検索結果をフィルタしたか検証する事がほぼ不可能であるという事なんですよね。データ処理の課程を覗く事って出来ないですからね。

確かにRankbrainの使用する上記のTensorFlowもオープンソースだが処理自体はブラックボックスです。だからGoogle社内でもデバッグできないのも納得。

あと別の場所では、SMXだか何だか忘れましたが、そのために検索アルゴリズム全体にAIを使う事はできないと言っていた。さらには、検索アルゴリズムには別のAIを試す可能性もあるらしい。

Rankbrainを他の検索エンジンが真似したりしないの?

また私が個人的に思う疑問もあります。TensorflowというライブラリをGoogleは公開しました。ですがRankbrainも同様のものを機械学習に使っています。これを他の検索エンジンの競合に使われても良いのか?
(良いから公開しているのは理解しているが)

世界には他にも超大手の検索エンジンが多数あります。それぞれAIを既に導入しています。大きいところでは中国のBaiduの「All in AI」コンセプトに基づくBaidu Brain、ロシアのYandexのAlice(ただし音声アシスタントのみ)、韓国のNaverのAIがそれぞれの国のトップ検索エンジンです。

またアメリカのBingやDuckDuckGoなどは、利用者数でも広告収益でもGoogleより遥かに下ではあります。彼らがTensorflowを使って機械学習を使ったAIを投入したらどうなるのか、というシンプルな疑問があります。

Rankbrain対策、すなわちRankbrain Optimization(RBO)はどうするのか

ではSEO対策においてRankbrain対策、すなわちRankbrain Optimization(RBO)なるものがあるのでしょうか?個人的な回答としては、特別にそういったものは必要ないんじゃないかなと思ってます。普通にSEO対策をやるだけです。

Rankbrainは誤解を恐れず言えば、通常の、多くの人が行う検索クエリも処理できます。ですがロングテールの、ほとんど検索されたことのない長文なんかも意味を理解し処理できる、というものだからです。

さらには機械学習により、これまで手動でアルゴリズムをアップデートしてきました。ですが、Rankbrainが日々学習を繰り返し、処理の精度を上げてくよ、というものです。

Rankbrain対策(Rankbrain Optimization)とは

だからRankbrain対策(RBO)なるものを強いて言えば、Rankbrainがコンテンツの意味を理解しやすいようにコンテンツを仕立てておくぐらいは必要です。

ただそれって、セマンティック検索に対応できるよう、
構造化マークアップをしときましょうねって事です。通常のSEOで必要とされている事をきちんとやっておきましょうね、というぐらいです。

一部で言われていますが、ナレッジグラフ、アンサーボックス等のフィーチャードスニペットのアルゴリズムには大いに関わっていそうです。高度な意味理解が重要になるので。

例えば日本語では「~とは」というクエリでアンサーボックスが出ます。ですが検索インテント(意図)を理解する。百数十文字程度のボックスに綺麗に収まるような、コンパクトな「とは」解説を行う。

かつ検索インテントに合致するより詳細な情報を十分に掲載したコンテンツで、信頼性や専門性のシグナルもある程度見られる。…という軸で高度なクエリ解析、解釈を行っています。かも知れない。

RBO=通常のSEOでほぼOK

通常のSEOとは、まずコンテンツをしっかりつくること。タイトルとか見出しを的確に(検索エンジンをだまそうと思わず)書きあげること。内部リンクも訪問者のためにしっかり貼ること。サーバーエラーとか重複ページをなくすこと。リダイレクトは的確にやること。

そしてモバイルの時代だからモバイルに対応したページをつくること。モバイル時代に向けて、サイトの表示速度を速める努力すること(AMP対応したり無駄な要素は削除するなど)。

通常のSEO以外ですと、これでしょうね。ユーザーの心にダイレクトに刺しに行く様な文章。深く狭い、だけど特定の誰かの心に熱く訴える文章。敢えてSEOテクニック論を放棄して、この様に文章で語りかけてもいいかも知れません。

この辺りを的確にやっておけばRankbrain対策になる…かもですね。

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