SEOの6Pを解説

今のSEOに必要な6Pとは

2020年代のSEOでは「6P」が重要なので解説します。

  1. 一次情報(Primary Source)
  2. 偏った個人の意見(Personal Opinion)
  3. ビジュアル要素(Picture)
  4. 最新の状態(Present)
  5. 広報(Public Relations)
  6. 遊び場(Playground)

これらの6つのPは、これまでSEOであまり重視される事がなかったものの、これからとても重要になるであろう要素を集めたものです。

SEOの6P その1:一次情報(Primary Source)

まずSEOの最大の特徴は「真似し合うこと」なんですね。

真似るコストが低すぎるあまり検索上位の真似で出来ているのがSEOです。だからGoogleなどの検索エンジンでも「コモディティになるな」(真似するだけでなく付加価値をつけろ)を主なアドバイスの1つとして繰り返し伝えています。そんな他にもよくあるコンテンツとなることを避ける上で最も重要な要素がこの一次情報です。

サプリメントを比較する記事を書くとして…あなたが専門家でないなら専門家へのインタビューはマストです。いや仮にあなたが専門家であったとしても、複数の専門家にも話を聞いてそれを掲載するくらいの事はして良いです。

一次情報で大事なのは「客観性」です。数字とかで示してあげると言うこと。これの逆は「主観」です。「このサプリを飲んで体調が良くなったと思います」は主観です。具体的にどんな数値がどのくらい改善したのかを示すのが客観性です(例え話ですので薬機法などの話は一旦考慮せず書いています)。

SEOの6P その2:偏った個人の意見(Personal Opinion)

上の客観性の話と矛盾している様に思われそうですね。

ですが一時情報をきちんと示した上で「このプログラミングスクールは講義の質に定評があり、優れているかも知れないが正直好みではない、なぜなら…」とか「公式サイトでは徹底した指導により就職率N%とあります、でも私はこう感じました」と書くのが個人の意見です。もちろん否定だけでなく肯定も含めて。

なぜこれが大事かというと、先に挙げたようにSEOの大半は真似の応酬で構成されるからですね。公式LPや検索競合ページにある情報をいかにMECEで入れ込むかの競争。そこにあなたの鋭い視点でツッコミを入れてあげて下さい。ヒートマップで見るとめちゃくちゃ読まれますから。

価値の伝え方は主に2つ。機能的価値と情緒的価値です。「AのおかげでXがN%改善しました」のような客観的な一次情報は機能的価値の訴求になることが多い。ざっくりとですが男性が好みやすいですね。

一方で「英会話スクールの講師の方の教え方がとても優しく気遣いが行き届いていて、受講するたびに気分が上がりました」の様な情緒的価値を訴求する方法もあります。偏った個人の意見ではどちらかというとこの様な情緒的価値の訴求に効果を発揮することが多いです。ターゲットやペルソナに応じて使い分けましょう。

SEOの6P その3:ビジュアル要素(Picture)

2010年代のSEOはテキストコンテンツが中心でした。今ではそこに画像や動画、図表や図解を盛り込む重要性が高まっています。

まずビジュアル要素が豊富な記事はユーザー行動が桁違いに良いのです。画像検索経由での流入も多い。画像は第三者のPinterestに転載されたりもすると被リンクになります。そこから一気に別のSNSでバズったりもします。図表もよく第三者のブログなどに引用されたりします。

テキストコンテンツの真似はコストが低すぎて、かつちょっといじれば真似とか無断盗用の証明をしづらいのですが、画像は真似するコストがかなり上昇します。なので参入障壁になります。

物品なら複数商品を並べてみる、使ってみるなどが王道ですね。転職エージェントを紹介するなら実際にそのエージェントに訪問してインタビューしたり、エージェントの方に記事に登場して貰う。職務経歴書の書き方を赤ペンで添削した写真をアップして解説する。模擬面接の様子を動画に撮らせて貰う。前半部分を記事で公開し、フルバージョンをYouTubeやVimeoなどにアップし相互にリンクする。などと色々出来ます。これらのコンテンツは真似されません。

以下は全て「ダイエット 食事」の検索結果です。↓典型的な「ビジュアル要素山盛り」の事例。ビジュアルで情報を閲覧したい、判断したい需要が高い検索キーワードなのですね。

「ダイエット食事」検索結果 - 広告枠1
「ダイエット食事」検索結果 - 強調スニペット
「ダイエット食事」検索結果 - 動画枠
「ダイエット食事」検索結果 - 広告枠2
「ダイエット食事」検索結果 - 関連キーワード枠

あとこれは補足ですがPictureと言う単語には「絵面」全般を指す意味があるので採用しました。映像なんかもPictureと言ったりします。

SEOの6P その4:最新の状態(Present)

これまでのSEOではSEO=ウェブ上に自販機を作ること、などと言われてきました。この側面は否めません。しかしSNSなどで日々トレンドにリーチできる快適さに慣れているユーザーは、あなたが思っている以上に「ちょっとした最新情報が反映されていないこと」にストレスを感じます。

例えば「Macbook」関連の検索結果で最新の情報をもとにした比較情報などがないと致命的なのは肌感覚で理解できる人も多いでしょう。トレンドに慣れきったユーザーへの最適化はSEOでも大いに行うべきです。Appleの新作発表が行われる日は、張り付いてその情報を即座に自分のコンテンツに反映するぐらいのことをした方が良いです。

自分のサイトの市場では最新情報を反映すべきかどうか?を判断するには例えばこういう所をチェックしましょう。試しにトレンドと関係なさそうなキーワード「保険」関連で検索結果を見てみましょう。

「保険」検索結果

「すべて」のすぐ右が「ニュース」です。この場合「トレンド性が高い」と判断して差し支えない場合が多いです。

実際、検索上位に下記の様に保険関連のトップニュース枠はかなり昔から差し込まれています。↓日々多くの保険関連のニュースもありますし、保険商品も細かい改定や新商品なども多いのです。多くの人が見ることが数値に表れているであろうことが容易に推し計れます。

「保険」検索結果トップニュース枠.jpg

また昔から保険関連の検索上位の常連であるサイト「保険市場」もスニペットにニュースのカルーセルが表示されています。↓

保険市場のニュースカルーセル

この様に、「うちのサイトに最新情報が必要か?」の判断基準は検索結果を見れば様々なヒントが落ちています。そもそも今はどんなサイトであれ何かしらの最新情報の反映は割と要るケースが多いですよ。

SEOの6P その5:広報(Public Relations)

今のSEOは主に2ステップに分かれます。前半がコンテンツ作成。後半は広報(PR)です。これまでのSEOではコンテンツ作成のみに焦点が当てられていました。しかし今、前半部分の手法が広まりきっています。これからのSEOで差をつけるなら広報が必要になります。

1つコツをお伝えすると、コンテンツは年間や四半期ごとの「カレンダー」を先に組んで下さい。

  1. ○月○日にこの記事をリリースする
  2. プレスリリースをこの媒体に打つ
  3. SNSではその3日前からこの様な情報を小出しにする
  4. 各数値を検証する

などというスケジュールを決めるんです。そしてスケジュールは闇雲に打つものではありません。例えばクリスマス商戦にはプレゼントとして自社商品を推すと良いでしょう。脱毛サロンなら普通は春頃から動く必要がありますよね。自動車保険なら3月頃にピークが来ますので年末ぐらいから仕込みが必要になります。また業界に急に大きなビッグニュースが発生した時、臨機応変にその波に乗るリリースの割り込みが必要です。

この延長で広報担当者がチームを組み、外部のサイト運営者と交渉し、被リンクを獲得していく必要があります。もちろんこれらもカレンダーに組み込んでいきましょう。

ちなみに…このように「アクティブであること」は各検索エンジンが推奨しています。Googleやbingなどはもちろん、例えば韓国最大の検索エンジンであるNaverはサイトオーナーへ「信頼度」と「活発であること」の2つを推しています。その理由はクローラーが存在を認知しやすいため。Naverに限った話ではなく全ての検索エンジンが「見つけること」に苦労していることの裏返しでもあります。

SEOの6P その6:遊び場(Playground)

締めは簡単に行きましょう。ユーザーが溜まり、遊び場となるようなコンテンツは強い、というお話です。例えば脳内メーカーのようなツールが圧倒的に有名かと思います。SEOの領域ですと先日私がTwitterで実験的に投稿したSEOクイズもそうです。表向きの反応は微妙ですが累計で数日で数千人がクイズを最後まで解いてくれています。

また私のSEOコンサルの現場でも、各ジャンルで「あなたはどのタイプ?○○診断(占い)」「目指せ高得点、○○クイズ(テスト)」などはかなりの割合で人気コンテンツとなっています。簡単に作れる割に、SNSで周りの人達と気軽に遊べるのでバズり方がエグい場合もあるのです。診断結果などで商品を勧める場合、その場限りのクーポンコードなどを提示してあげると成約率が上がります。

これらはあまりSEOと結び付けられることはこれまでありませんでした。しかし収益を取りたい記事にこの様な「遊び」要素を入れたり、被リンクを集めた遊びコンテンツから収益コンテンツへリンクするだけでSEOにも収益にも大いに貢献します。何よりユーザーが面白がってくれます。楽しんでくれた感想とか意外とたくさん貰えたりするんですよ。ぜひ試してみて下さい。

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