この記事はSEOを無料・有料ツールの選び方や使い方を知り、より効率化したい、より上のレベルのSEOを目指したい、そう言った事をお考えの方向けの記事です。
SEOツールの選び方
SEOツールの選び方は以下の観点で選ぶと良いです。
- 日本製 or 日本語対応
- 動作が軽い
- データ量が豊富
- データの更新が早い
- 他の集客施策と連動出来る
まず初心者~中級者であればシンプルにGoogle Search Console1つだけでSEOは十分です。
ただし、それだけでは「足りない」日がいずれやって来ます。権威性の構築などは優良コンテンツを一方通行的に投下し続けるだけでは不十分ですからね。
以下ではその視点で、SEOの為に「使える」ツールをご紹介していきます。いずれも現場で頻繁に利用しているものばかりです。
無料のおすすめSEOツール
まずは無料のSEOツールから。ご存じの方は読み飛ばして下さい。
Google Search Console
Googleが提供する完全無償の超優秀なSEO分析ツールです。上にも書きましたが、基本的な分析は全てこれで事足ります。しかもGoogleは年々新機能を追加しています。
参考記事:Google Search Consoleの使い方
基本的には「サマリー」か「検索結果」で流入キーワードや検索順位を見るぐらいの日も結構あります。
Google Analytics
こちらもGoogleが提供する完全無料の分析ツール。SEO以外にも様々な経路からの流入を幅広く分析できます。SEO以外にも手を出すなら必須です。
Uber Suggest(ウーバーサジェスト)
SEO業界で世界的に有名なNeil Patelと言う人の提供するツールです。突如日本語版が登場しました。主に以下の用途で使えます。
- キーワード分析
- ドメイン分析
1は、特定のキーワードを入力すれば様々な形で関連キーワードがサジェストされます。海外のSEOツールは通常、日本語対応していても日本市場のデータはあまり持ってない事が多いんですね。でもこのツールは無料なのにかなりしっかりしたデータを持っています。謎です。笑
2は特定のドメインを入力すればそのドメインの主な流入KWを大量に取得できる無慈悲なツールです。笑 これも日々大量のクロールによってデータを蓄積しないと出来ない技です。
thruuu(スルー)
もう一つ海外発の優秀な無料SEOツールを。検索結果の分析ツール「thruuu」です。2019年9月にリリースされたばかりの軽くてシンプルでとても使えるツールです。
こちらは検索結果をさっと確認し、1位~10位のコンテンツの特徴を抽出してくれるもの。自分のコンテンツと検索上位の差がどこにあるかが分かります。SEOを行う上でこう言ったコンテンツギャップ分析は非常に重要。
制作者のSamuel Schmittに日本語訳を提出しており、一部は既に反映済みです。大分使いやすくなりました。対応早い。補足ですが、全部無償で互いにやり取りしており、金銭の授受は有りません。
Screaming Frog SEO Spider
こちらはウェブサイトをクロールし、ヘッダや見出しなどの各要素を取得して来てくれるツールです。動作は軽く、ちょっとした競合のドメイン全体を俯瞰したい時などにとても有効です。PCにインストールするタイプです。
無料版はクロール出来るURL上限が500。大抵は無償版でいけます。有償版は年間約20,000円でクロール無制限+多機能です。AMPページもクロール出来る様になるなど熱いツールです。
なお無償版はこんな使い方もありですよ。
Namaz
Googleの検索順位の変動率を見せてくれるSEOツールです。Googleのアプデはペンギンアップデートがリアルタイム化しAIのRankbrain導入に至ったりと、今や局所的な変動は日々あります。こちらは検索全体が大きく動いたかを監視するためのツールですね。
Pagespeed Insights
ページ速度は「遅すぎれば」検索順位に影響すると言われています。例えばですが、容量の大きい画像を何枚も1記事に入れていたりするケースですね。意図せずページ表示速度がとても遅くなりやすいです。その場合懸念されるのは、アルゴリズムによる直接的な検索順位低下と、ユーザー行動の悪化(直帰が急増するなど)で間接的に検索順位に影響してしまうリスクです。
Pagespeed InsightsはGoogleが提供する無料のページ表示速度の計測ツールです。同じGoogle提供の無料ツールで類似のものにTest My Siteと言うものもあります。まあどちらでも良いでしょう。重要なのは「遅すぎる」かどうかを検出する事。なお、Google Search ConsoleでもPagespeed Insights機能の一部が表示開始しました。「速度(試験運用版)」の項目です。
Wayback Machine
これはウェブサイトの過去のステータスを記録しているサイトです。こちら側で何か登録等する必要は無く、ここのクローラが勝手に巡回して色々なサイトのデータを保存して行ってくれます。だから見たい時にURLを検索すればOK。
これが何の役に立つのかと言うと、
「ahrefs(下記で紹介)と組み合わせて、競合サイトの被リンクが急に増えた時期の前後で、コンテンツがどう変わったか、ソースを比較し分析する」
とか、
「検索順位の大変動が起きた時に、順位が大きく下落したサイトの、変動直前と変動後のソースを比較し、どんな理由で順位が下落したかを分析する」
(変動直後に対策としてコンテンツを大きく追記したりする場合があるので)
と言った使い方ができます。何気に、変動の要因分析などに相当役に立ってくれています。
Chromeアドオン
ChromeのアドオンでSEOツールとして使えるものを別の記事で紹介してます。もしご興味があれば見てみて下さい。
- SEO META in 1 CLICK
- Extract People also search phrases in Google
- NoFollow
- はてなブックマーク
- ツイートカウンター for Twitter
- 文字数カウンタ
参考記事:SEOに便利なChrome拡張6選
なお上記に加え、英語に抵抗がない方でSEOの玄人向けとして、以下のバックリンク分析ツールも推奨。登録必須ですが、優秀なツールです。
SNS
SNSは検索アルゴリズムに直接関係ないとは言われています。ですが運営者周りのソーシャルグラフにダイレクトに影響を与え、権威性の構築には欠かせないツールです。
そして権威性は明らかに被リンクやサイテーション、ユーザー行動に影響します。あなたのターゲット層が多くいるであろうSNSで「○○と言えば」で真っ先に思い出される存在を目指しましょう。
- Youtube
- Tiktok
- メールマガジン
- LINE@
- インスタグラム
- Youtube Live
- Facebook Live
- ツイキャス
極端な話、SNSで相互リンクだったり寄稿記事の募集をするのは王道のリンクビルディングです。また音声、動画やライブ配信したコンテンツをテキスト起こしして記事化するのも、コンテンツSEOの一環です。
Sparktoro(スパークトロ)
SparktoroはMozを立ち上げた元CEOのRand Fishkinが2018年に新たに立ち上げたSNS分析サービスです。中でも「SparkScore」と言う機能があり、自分や他のアカウントがどれだけ影響力があるのか分析できます。
SNSのこれ系のツールで良い物はSprout Social(スプラウトソーシャル)やBuzzSumo(バズスーモ)などなど無償も有償も多々あるんですが、このSparktoroと言うツールがシンプルで使いやすいです。
有料のおすすめSEOツールと比較方法
有償SEOツールは、基本的に最低でも数百や数千ページある様な大規模なサイトの分析にむいています。金額もピンキリではありますが、どちらかと言えば企業向けが多いかなとも言えます。
目安として月額で1万円を超えるものは企業などの大規模サイト向けです。機能も充実してきます。個人アフィリエイターやブロガーなどは各SEOツールの「総額が」月額5,000円を下回るぐらいで良いかと。
複数ツールで迷ったら、「自分の参入しているジャンルでSEOに強い企業が導入している」かどうかで比較しましょう。
例えば物販のECサイトに導入する有料SEOツールを比較したい時、それぞれのツールの導入実績ページを問い合わせてみて、SEOに成功したECサイトがある様でしたらそのツールを選ぶと言う意思決定プロセスがお勧めです。アフィリエイトサイトに使うなら、アフィリエイター導入実績の多いツールを選びましょう。
GRC
日本製のシンプルな検索順位の記録ツールです。金額も安く、年間で一括4,500円(月額換算で375円)~です。PCにインストールするタイプです。動作が軽く、バックグラウンドで順位計測していてもPCの動作にほぼ影響ありません。
他の類似ツールは機能を増やして金額も高くすると言うもので、ここまでシンプルに低価格で使える順位計測ツールはほとんどないです。基本的に個人であれ企業であれ、導入すべき有料SEOツールの筆頭と言えます。
参考記事:GRC有料版・無料版の使い方 – 検索順位チェックツールでアフィリエイト、ブログで効果を出すSEO分析方法
Google広告
Googleの提供する広告ネットワーク管理、運用ツールです。昔の名前はGoogle Adwords。これは主にSEOでは3つの使い道があります。
1.キーワードプランナー
1はキーワード発見ツールとして。検索広告への出稿時に入札するキーワードのサジェストを得られます。
予算に余裕があれば、サジェストだけでなく、クレカ情報を入力して上限額を少額で良いので設定し、自分で入札してみて下さい。部分一致のimpやクリック実績のあるキーワードやその実際の検索回数が分かります。キーワードプランナーのサジェストと異なる事も分かるかと思います。
こうした生の、自分だけのキーワードデータを構築していくのに最適です。
2.認知獲得
サイトを立ち上げた直後、まだ誰もあなたのサイトを知らない時期。せっせと記事を書き、少しずつ人がやって来るのを待つ。これが予算の無い時の戦い方ですよね。
広告を使えば、当たり前ですがより短期間で知られます。勿論、完全に予算次第ですし、戦い方は工夫すべきです。ですが今のSEOは「知られている」事で被リンクやサイテーションの増え方、ユーザー行動に大いに差が出ます。最初からSEOにブーストをかけたければ広告がお勧めです。
コツとしては、とにかく最初は低額でtitleとdescription、LPの3つをテストし改善し続ける事です。入札価格にも影響しますのでQS(品質スコア)10を目指して下さい。
3.リンクビルディング
リンクの増加数と認知度は明確に相関関係にあります。極端に言えばテレビCMを短期間に大量オンエアすれば被リンクやサイテーションは急増します。まあそれは難しいのですが、そのリンクビルディングを予算の分だけ後押ししてくれるのがGoogle広告です。なので私はSEOのコンサル時はかならず広告の投下を推奨します。データでやっぱり被リンク数との相関が出る事が多いので。
SEMRush(セムラッシュ)
月額$99.95(約10,795円)~。世界で最も有名なSEO、SEM(広告を含む検索エンジンマーケティング)ツール。2019年にオロ社が日本の代理店となりようやく日本へ入って来ました。リスティング(PPC)広告とSEOを一緒にやる前提でキーワードマッピングやコンテンツ展開するような人に適しています。元々英語版の頃から日本でも玄人好みな会社などが導入している例をいくつか私も聞いた事があります。
Moz Pro(モズ プロ)
月額99$(約10,692円)~。上記で紹介した無料ツールのSparktoroを立ち上げたRand Fishkinが2018年までCEOを務めていた世界で最も有名なSEO会社の1つ、Mozの提供する有料SEOバックリンク分析ツールです。
元々は世界で最も有名なバックリンク分析ツールはこのMozか下で紹介するMajesticかと言う程に使えるツールで、世界トップクラスに被リンクデータを持っている会社です。日本語版が無いのですが、優秀なツールですので抵抗ない方はぜひ。
Moz Proは機能数は無駄に増やしすぎず最低限で、その代わり膨大なデータ量を蓄えており、サイトの規模に関わらず使えます。
Majestic(マジェスティック)
上記で述べた様に、MajesticもSEOの被リンク調査ツールとしてかつて有名でした。こちらは日本語版があります。月額49.99$(約5,399円)~と比較的リーズナブルです。機能もほとんど変わりませんが、こちらはよりシンプルにバックリンクのみの分析ツールです。膨大なリンクグラフのデータを抱える有能なツールです。
唯一難点を挙げるとすれば、日本語化が一部微妙で、気にならない様でしたらこの安さは買いだと思います。
Ahrefs(エイチレフス)
MozとMajesticがかつてSEOバックリンク分析ツールの2台巨頭でしたが、そこにAhrefsが加わり、3大SEOバックリンクツールとなりました。月額99$(約10,692円)~。
日本語版あり、日本には代理店としてASP「afb」の親会社でありSEOやウェブ広告代理店であるフルスピード社が付いています。何より日本語化がきちんと出来ているので日本人としては非常に使いやすいでしょう。
ahrefsは検索順位の取得とか色々出来はするのですが、ahrefsがユニークなのは次の2点があるからです。
- 競合サイトの被リンクがどう増減したかを1本ずつ見られる
- 競合サイトの上位表示KWを見られる
被リンク戦略を立てる時、競合の被リンク獲得の「履歴」を追えるって画期的ですよ。これの類似機能を持ったツールは他にもありますが、ahrefsの更新頻度やデータ量が恐らく業界で一番突き抜けています。Wayback Machineと組み合わせた分析などもお勧めです。
あと、これはアフィリエイターにも人気な機能ですが、ahrefsって競合サイトの上位表示KWを見られるんですよね。これも画期的。
SE Ranking(エスイー ランキング)
クラウド型の総合SEO/SEMモニタリングツールで手軽で使えるのはこのSE Rankingです。~数百ページ程度のサイトが適しています。SEOに機能の大半が集中していますが、PPC(リスティング広告)もSNSも管理できる点が、SEO+αを求められる今の時代に合ってますね。
魅力は何と言ってもこの機能性の幅広さに対して、その安さです。週1の利用であれば月額約2,500円~。日本、海外の著名SEOツールを全て比較してもSE Rankingは最安値クラスです。動作も軽くUIも分かりやすいです。個人が使えるレベルの金額ですが、クラウド型なので逆に複数の人がデータや分析を共有する使い方にも向いてますね。
DemandMetrics(ディマンドメトリクス)
DemandMetricsは元々GinzaMetrics(ギンザメトリクス)と言う名前でした。おおむね企業向けで、インハウスSEO担当者用のSEO分析ツールです。長年使っていましたが使いやすく、料金も非公開ながら相場を大きく上回るものでは無かったです。大規模サイト向きです。ただし使う側のリテラシーだったり探求心で活かせるかどうかは大分変ります。SEOに積極的な人なら豊富な機能やデータ量があるので、非常に楽しいツールと言えます。
Mieruca(ミエルカ)
Mierucaは日本のSEO業界が毎朝チェックする「海外SEO情報ブログ」で有名な鈴木謙一さんが取締役を務めるファベルカンパニー社の提供する有料SEOツールです。
まだ今より機能がシンプルだった何年も前に、私も某企業のアカウントで使っていました。当時としては珍しく検索意図の推測や関連キーワード同士の繋がりを図で表すキーワードグラフ、共起語調査など、見た目の分かりやすさや提案の豊富さ、面白い機能の多さから、ずっと触っていた記憶があります。
今では更に機能が増え、そして企業だけでなくアフィリエイターの利用者も多いとの事。
マーケティングオートメーション
マーケティングオートメーション(略してMA)と言う種類のツールはマーケティング活動の多くを一元管理しより簡単に運用出来ると言うもの。メールや電話での見込み客1人1人への営業活動まで含めたリード獲得・育成のPDCAを管理できます。あくまで「一元管理」出来る類のものがお勧めです。
MAにはコンテンツの制作や管理をする機能もあって、SEOを考慮出来る様になっています。SEOは今や多面的な要素が影響する集客施策です。他のマーケ施策と組み合わせたプランニングを可視化・管理・実行・するためのツールとして実はMAはかなりお勧めです。
マーケティングオートメーションの代表的なものは以下の2つ。
特にHubspotは日本のMA市場を開拓した立役者であり、今でもMA市場のリーディングツールです。金額も6,000円~と高すぎる程ではありません。SEOプランを含むものは月額96,000円~。使った感想としてはUIが分かりやすく、SEOだけでなくリストマーケ全般に使えます。
他にもMAは、b→dashやWaculなどの国産ツールや、オラクル、セールスフォース、アドビと言った大手も続々MA市場に参入しています。
まとめ
以上です。基本的なSEOに使えるツールを無料、有料と分けてベーシックなものを紹介してきました。MAとかアドワーズとかはSEOツール紹介記事では登場しないと思うので面食らった人もいるかも知れませんが、そう言う時代なのだとお考え下さい。
ちょっと長くなったんで、本記事で紹介した各項目へのリンク置いときます。
コメント
記事に誤植がありました。
ご確認ください。
誤:中級車
正:中級者
https://i.gyazo.com/4c09d3791d152e8ca531b4247e3f7ba5.png
タカミさん、ご指摘ありがとうございます!修正しました😄