YMYLとE-A-Tについて、SEOで重要なのはわかるけど、
- 今一つよくわかっていない。
- 何となくの理解で終わってた。
- または全く理解していない、初めて聞いた。
と言った方に、YMYLとE-A-Tを簡単に説明し、SEOでどう攻略していくかを書きました。
YMYLとは?
YMYLとはコンテンツのジャンルを指していて、
「あなたのお金に影響するもの」と「あなたの幸福、健康、安全性に影響するもの」全般を表します。
もう少し具体的に説明します。
YMYLはYour Money, Your Lifeの略で、Googleが検索品質評価ガイドラインとして定める『General Guidelines』に登場します。
↓Googleの『General Guidelines』。
この中で、YMYLの定義は以下の通り。
Some types of pages could potentially impact the future happiness, health, financial stability, or safety of users. We call such pages “Your Money or Your Life” pages, or YMYL.
和訳(意訳含む)すると、
「ある分野の記事はあなたの将来の幸せや、健康面、経済面の安定性、または安全性に影響するかも知れません。
Googleはその様な記事を「YMYL(あなたのお金や人生)」と称しています。」
と言った感じでしょうか。これを現状に当てはめて言い換えると、
あなたが多額のお金を使う可能性のある分野や、あなたの人生を大きく変えてしまいかねない分野
となり、そのようなデリケートな分野全般を指していると言う事になります。
具体的には「あなたのお金」分野=EC、銀行、保険、クレジットカード、キャッシュカード、証券やFXなどの投資関連、不動産、税金と言った、客単価が高かったり、大きなお金が動く可能性のある分野が主に該当します。
もう一つ「あなたの幸せ、健康、安全性」については少し解釈が広く、
主に美容全般やサプリ系、薬や精神の健康、病気、栄養などの医療全般、
さらに離婚や裁判、遺言などの法的サービスと言った辺りが該当すると考えられます。
その他行政や政治、災害情報などなども含む可能性があると、
『General Guidelines』では説明されています。
これらを乱暴にひとまとめにしてしまうと、
YMYL = 人の人生やお金に影響を与えかねないデリケートな分野全般
と言う事が言えます。
YMYL領域のSEOは今後ますます厳しくなる
現在YMYL分野でのジャンルのキーワードの検索結果では、
企業や行政、教育機関などの公共機関の優遇
がエグイ事になっています。
多くのSEOアフィリエイターには既知となりますが、
企業サービスの公式サイト、行政のサイト、公共機関のサイト(企業ドメインや、 ***.or.jp や ***.ac.jp など)が、
年々、大規模アップデートが起こるたびに上位を独占したりします。
↓「脱毛」検索結果(2018年8月)
↓「弁護士」検索結果(2018年8月)
↓「青汁」検索結果(2018年8月)
1位にWikipedia…増えましたよねー。笑
昔から1~2ページ目をうろうろしてはいましたが、この結果はここ最近より顕著です。
これだと個人のアフィリエイターやブロガーが勝つのはとても厳しい状態です。
ただこれはこれで、Googleの検索結果全体で見れば、より公共性が増すと言う事にはなります。
検索ユーザーとしてもYMYLの様なデリケートなジャンルでは、
身元不明のアフィリエイトサイトより、公共機関など出自の明らかなサイトの記事の方が、
E-A-T(専門性、権威性、信頼性)の高いサイトの方が、幾分かは安心材料として機能する事でしょう。
では、YMYL領域で重視されるE-A-Tについて、どう攻略すべきなのか、次で書いていきます。
E-A-Tとは
E-A-Tとは、専門性/権威性/信頼性の総称で、Googleの造語です。
↓E-A-Tも『General Guidelines』で定義されて、何度も登場し、非常に重視されている様が伺い知れます。
For all other pages that have a beneficial purpose, the amount of expertise, authoritativeness, and trustworthiness (E-A-T) is very important.
和訳:
ユーザーにとって有益なページは全て、専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthness)が非常に重要です。
※余談ですが欧米だと信頼性は単にTrustと呼ぶ事もあります。
E-A-T一つ一つについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
恐らく多くの人がふわっとした理解で終わっているのではないでしょうか?
専門性(Expertise)
文字通り、あなたの記事やサイト全体が、何かの専門性に特化しているかどうかを指します
例えば政治についての記事をあげるとしましょう。政治はYMYL領域と考えられます。
その場合、雑記ブログの様にサイト全体でテーマが散らばっているサイトより、
政治のオピニオンリーダーとして名を知られ、政治に特化して記事を書き、検索エンジンに高く評価されているサイトの方が、検索上位に食い込む可能性があります。
通常、政治関連のキーワードは政治関連の記事や速報を掲載してきた実績のあるメディア(主に新聞系など)が上位を占めます。
そこに個人が食い込む事はとても難しいのですが、
政治についての専門性が高いとGoogleに認められている=Expertiseが高い状態だと、
検索上位を取れる可能性があります。
なお政治はトレンド要素の強いジャンルでもあり、瞬間的に個人の記事が上位に来る事はままあります。
権威性(Authoritativeness)
権威性とは、人から「正しい」とか「真実だ」と信じられている状態を指します。
また人を従わせ、自信のある様を指します。
ケンブリッジ英英辞典から権威性を引用してみます。
showing that you are confident, in control, and expect to be respected and obeyed
containing complete and accurate information, and therefore respected
和訳(意訳含む):
「自信があって、コントロールできて、尊敬され従ってくれる様子」
「完全で、正確な情報を持ち、それゆえ尊敬されている」
要はその分野で
「この人の言う事なら間違いない、正しい、だから私は従います」と多くの人に思わせる事
を指しています。
多くのファンを抱える様ないわゆるブランド構築とは少し違い、
人を盲目的に従わせるうような、その分野で非常に高い地位を獲得した状態を指します。
この権威性で最もよく例えられるのが「医者」。
お医者さんが言う事にほとんどの人が従うと思いますが、その状態が権威性の高い状態です。
Googleはこういった権威性の高い人物や団体のコンテンツをとても高く評価すると言う事です。
信頼性(Trustworthness)
信頼性とは文字通り「多くの信頼を獲得している状態」を指します。
人から信頼されている状態をGoogleがどう判断しているかはブラックボックスではありますが、
例えば行政や公共機関と個人アフィリエイターを比べた場合、どうしても前者の方を抵抗なく信頼する人が多いでしょう。
前者は国や地方自治体、教育機関や企業など実態の明らかな団体が運用しています。
また前者は自分達の情報も開示していますし、運用歴も数十年、数百年ある場合などもあります。
こう言った場合、Googleが信頼性を図るスコアは高くなる可能性があります。
対して個人のサイトの場合、実名や実態を公開していない、もしくはあまり知られていない個人が運営しているサイトだと、恐らくGoogleの信頼性スコアは前者と比べさほど高くはならない事が想像に難くありません。
※個人的に、だから行政や公共機関、企業のサイトが広くあまねく良質であり、個人サイトがそうでない…とは全く思いません。
ユーザーの方をしっかりと向いているのに検索順位が下げられたアフィサイトは無数にあり、
今のYMYL領域におけるE-A-T偏重の検索結果は好ましくないと思います。
E-A-Tを高める方法
じゃあE-A-Tってどう高めるのよ?
自分のサイトに専門家として自己紹介書くだけじゃ駄目なの?
自分はセミナーや出版もしていて結構有名なはずなんだけど、どうすればいいの?
と思う方向けに、こんな事を呟きました。
※「権威性」と書いてますが、E-A-T全般に言えます。
まず「どうすれば良いのか」の結論として、
長期に渡り、専門家として、外部リンク、SNSのいいねやシェア、そしてサイテーション獲得を継続する
が包括的な回答になります。
これはマーケティングで言うブランド構築とほとんど同じです。
ただし、『General Guidelines』にも書いてありますが、別に専門家と言うのは国家資格を持っていたり、何かのプロフェッショナルなどだけが該当する訳ではありません。
他にも趣味が高じて専門知識を多く持っている方などは、十分E-A-Tを向上させる事は可能です。
例えば料理、音楽、映画、ゲーム、筋トレなどなど…プロ並みの知見を持っていれば、
E-A-Tを高めていく事は可能です。
余談ですが、こう言った事をSEO観点ではなく、ブランド構築から入ると言うのも回りまわってSEOに寄与すると考えられます。
(ブロガーさんで上手い人は自然とやってたりしますよね)
この辺りを体系的にさくっと理解したい場合は、以下の書籍がおすすめ。
※上記で紹介したkindle版リンクはこちら(アフィリンクじゃないので安心して下さい!)
『グロービスMBAマーケティング』
『超入門 コトラーの「マーケティング・マネジメント」』
『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』』
『ブランド人になれ!会社の奴隷解放宣言』
※また、以前書いたサイテーションビルディング手法はこちらです。
https://seoer.work/citation-building/
※さらに以前書いたこちらの記事も良ければご参考下さい。
『発リンクはYMYL領域のSEOに必須の手法』
https://seoer.work/set-outbound-links/
簡単に自分のE-A-Tをウェブ上で推測する方法
以下の様な検索をしてみて下さい。
- 「site:自サイトドメイン」で検索する
- 「自分のサイト名」で検索する
- 「”自分の名前”」で検索する
- その際サジェスト、関連語に自分の名前やサイト名が出るか
- 「”自ドメイン”」で検索する
- 「あなたの専門分野名」であなたの名前がサジェストされるか見る
- 「あなたの専門分野名+あなたの名前」で検索する
- 「あなたの専門分野名+自サイトドメイン」で検索する
- 上記の検索を他のSNSでもしてみる
- 業界のトップの人達の名前やサイト名で、同じ検索をしてみる
- その差がどれだけ空いているかを確認する
ほとんど件数が出てこないなら、専門家としてのアウトプットが案外少ないのかも知れません。
検索結果にサイトリンクが出てくれば、固有名詞として認識されている事になりますので、第1段階はクリアです。
(↓サイトリンクはこういうものです)
また専門分野であなたの名前がサジェストされたりしているなら、かなりE-A-Tが向上している事になります。
ここまで来ると、新規記事が割と良い順位に食い込んだりするのではないでしょうか?
著者の自己紹介を書いただけでは駄目なの?
また他方では、自分のサイトに自己紹介を書いて専門家アピールをしたり、専門家としての記事を書き続けている人であっても、
Googleがこういったシグナルを拾えていないと、Googleの評価の土台に上がる事は難しいと考えられます。
これは想像の域を出ませんが、Googleはデータマイニング等でこれらのシグナルやテキスト等を「どんな属性の人達がどんな意味で何について言っているのか」ぐらいは解析しているでしょう。
そこから専門性/権威性/信頼性のスコアを産出、もしくは本質的に近しい分析をしていると思われます。
従って、あなたの記事を見た人達が、E-A-Tを裏付けるシグナルを大量に発信し、
さらにGoogleがその多くを認識できると言うプロセスを長期的に継続出来て初めて、E-A-Tが高い状態に近づくと言えます。
SNSで何度かバズっている人はE-A-Tが高いの?
瞬間的なバズ等でE-A-T関連の指標を一時的に大量に獲得できても、E-A-Tが高い状態とはみなされない可能性が高いです。
E-A-Tは長期的に、関連性の高い人達から継続的に貰えなければE-A-Tが高い状態とはならないでしょう。
専門性、権威性、信頼性は瞬間的に構築されるものでは無いという事はご理解頂けると思います。
個人のE-A-Tが高いってどういう状態?
これも想像の範囲を超えないと言う前置きをしておきますが、
E-A-Tが高い極致とは例えば、
第三者が自発的にWikipediaにページを作り、多くの人が更新を試みる状態
ぐらいの専門性/権威性/信頼性を獲得しているレベルであり、
この位であればYMYL領域で企業や公共機関等に勝てる可能性が高いと考えています。
(ちなみにWikipediaってページ作成が成立するには結構厳しい基準があって、それ自体がE-A-Tの高さを裏付けているとも言えます)
そのレベルだと大抵芸能人や有名なアスリートぐらいの知名度が必要になります。
知名度で言えば堀江貴文氏や家入一真氏クラスと言う事になります。
堀江氏はTwitterではフォロワー数300万人、家入氏は20万人程度となっています。
また、これはあくまで一つの「極致」なので、YMYL領域以外では、ここまでのレベルは求められていない事も多いはずです。
Twitterやインスタグラムのフォロワー数が一定数以上とか、あるクラスタの中では少し有名だとか、
そう言ったレベルでも十分SEOで戦えるE-A-Tの高さを誇ると考えられます。
まとめ
海外のSEOクラスタでも実は「E-A-T高めるために自分のサイトにページつくればOKなのか?」と言う話題が同時期に見られていました。
Important clarification. While I recommend beefing up your About and author pages this doesn’t make you a high E-A-T site. True E-A-T is hard to fake.
和訳すると、
「About Us」ページや著者ページを強化することを推奨するけど、だからと言ってE-A-Tが高まると言う訳ではない。E-A-Tは偽装して作れるものではないので。
との事。全面同意。
(著者の自己紹介ページが偽装と言ってるのではなく、それだけでは足りないと言っているのだと思います)
結論を言うなら、次の通りです。
自分が「何で思い出して貰いたいか?」を考え、
そうなる様に行動していきましょう、と言う事になります。
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